世界のワイン フランス・イタリア・ドイツ
2013年10月10日 / ワインの基礎知識, 世界のワイン
世界のワイン フランス・イタリア・ドイツ
世界各国には美味しいワインがたくさんあります。
でもたくさんありすぎて、お店でもどれを選んでよいのかわからない……という経験はないでしょうか。
原料となるぶどうや栽培されている国、地域によってある程度特徴があります(厳密にするときりがないので大まかに)。
ちょっぴり予備知識があるとワインの選び方の手助けになるかもしれません。
※おすすめワインは私の独断と偏見で掲載しています。味の感じ方には個人差がありますので参考程度にどうぞ。
2009年の資料ですが、ワイン生産量はEU圏がベスト3を占めています。
その下にはすぐ、ワインニューワールド(新興国)アメリカと中国が控えています。
イタリアとフランスの生産量は僅差なので、けっこう順位は入れ替わります。
フランスワインの特徴
フランスはイタリアと並ぶワイン生産大国です。
フランスでのブドウ栽培や生産はローマ人によって紀元前50年ごろにはすでに行われていたことがわかっています。
のちに、ワインは修道院で積極的に生産され、これが技術向上につながりました。
1854年の害虫フィロキセラによる大被害をうけましたが、害虫に強いアメリカ品種に接ぎ木することで持ち直します。
高級ブランドワインから、日常用のテーブルワインまで幅広く生産されており、平均的なレベルは世界屈指です。
ボルドー地方ややブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方など名だたる生産地があります。
とても高そう……という印象がありますが、きちんと選べば2000円~3000円でも良いワインが手に入ります。
また、フランスワインはEU法で高級ワインとテーブルワインの2クラスに分類されます。
フランスワインはワインにはその土地の名前がついています。
おすすめのフランスワイン
【フランスワインの格付け】
- A.O.C.(Appellation d’Origine Controlee)
アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ - A.O.V.D.Q.S又はV.D.Q.S(Appellation d’ Origine Vin Delimite de Qualite Superieure)
アペラシオン・ドリジーヌ・ヴァン・デリミテ・ド・カリテ・スペリュール - V.d.P(Vins de Pays)
ヴァン・ド・ペイ(地酒) - V.d.T(Vins de Table)
ヴァン・ド・ターブル(日常用テーブルワイン)
イタリアワインの特徴
イタリアはフランスとワイン生産量の首位を競うワイン生産大国です。
温暖な地中海せい機構と肥沃で水はけのよい土壌はまさに『ワインの天地(エノトリーア・テルス)』。
イタリア20州全てでワインが作られており、それぞれの州で特徴あるワイン作りが行われています。ぶどうも数千種が栽培されています。
イタリアの高級ワインの名称は、フランスと違って指定された産地名がそのままワイン名になるとは限りません。
もちろん原産地名を付けたものもありますが、原産地名とブドウの品種名を合わせたワイン名や、歴史や神話に基づいたものもさまざまあります。
ワインのラベルもけっこうややこしいので選ぶのも大変笑
でもそれも楽しいと思わせてくれるのがイタリアワインだと思います。フランスのワインに比べ、どことなく親近感のある日常ワインというイメージ。
余談ですが、村上春樹著『遠い太鼓』にはイタリアキャンティのワイナリーの描写があります。
『ワイナリーのおじさんが、これはあっちの畑、これはこっちの畑と別々に飲ませてくれると、それがすぐ隣の畑であっても、やはり味はちゃんと違うのだ。それでどっちが美味しいかときかれても--情けない話だけれど--どっちも美味しい。
僕の好みは、基本的には少しハードな感じの、きりっとした味わいのある赤である。口に含んで少し渋いかなと思ったとたんに、芳醇なテイストがふつふつと湧きあがってくるような、腰の座ったワイン。言葉にすると難しそうだけれど、実際に飲んでみれば簡単な話である。「うん、これこれ」それでおしまい。そういうレベルに話を限ってしまえば、能書きなんて全然お呼びではない。キャンティーの葡萄酒倉めぐりの醍醐味は実はこの辺にある。実体こそがすべて』
『遠い太鼓』-トスカナ-
『遠い太鼓』は1986~1989年ヨーロッパに住んだときの日記(あとがきより)だそうですが、視点がとてもユニークで面白いです。旅行記とも違う視点の近さを感じます。旅行者と住人のちょうど中間のような不思議な感覚といえばよいのでしょうか。
ワインの他、料理の話もたくさん載っていて地域ごとの小編になっていますので、パラパラ読んでみるのに向いてるかも。
おすすめのイタリアワイン
【イタリアワインの格付け】
- 統制保証付原産地呼称ワイン(D.O.C.G.)
デノミナツィオーネ・ディ・オリジネ・コントロッラータ・エ・ガランティータ
Denominazione di Origine Controllata e Garantita - 統制原産地呼称ワイン(D.O.C.)
デノミナツィオーネ・ディ・オリジネ・コントロッラータ
Denominazione di Origine Controllata - 地域特性表示ワイン(I.G.T.)
インディカツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ
Indicazione Geografica Tipica - テーブル・ワイン(V.d.T.)
ヴィーノ・ダ・タヴォラ
Vino da Tavola
ドイツワインの特徴
日本の北海道よりも北という、寒い気候をうまくいかすことによって世界的に有名なワインをたくさん醸造しています。上品でデリケートな甘みとさわやかで豊かな香りのワインが特徴です。
貴腐ワイン・アイスワインの産地としても有名です。
一般にドイツワインは村名と畑名で流通していますが特別単一畑(オルツタイルラーゲ)のみ、畑名で流通しています。
ドイツワインの品質等級は他のUE諸国とは違い、使用するぶどうの糖度とその収穫時期によって3つに分けています。使用するぶどうの糖度が多いほど、ワインのクラスが高くなっていきます。
おすすめのドイツワイン
【ドイツワインの格付け】
- Q.m.P.(Qualitatswein mit Pradikat)
クヴァリテーツワイン・ミット・プレディカート - Q.b.A.(Qualitatswein bestimmter Anbaugebiete)
クヴァリテーツワイン・バシュテムター・アンバウゲビーテ - Deutcher-Landwein
ドイッチャー・ラントワイン - Deutcher-Tafelwein(テーブルワイン)
ドイッチャー・ターフェルワイン
Q.m.P.は補糖が認められておらず、果汁糖度の高い順に更に6等級に分類されます。
※ぶどうの出来具合によっては生産しない年もあります。
- トロッケンベーレンアウスレーゼ
- アイスワイン
- ベーレンアウスレーゼ
- アウスレーゼ
- シュペートレーゼ
- カビネット